食欲旺盛なフレンチブルドッグですが、実は食欲が落ちやすい犬種です。
今までよく食べていたのに急にご飯を食べなくなったら、心配になりますよね。
ご飯を食べなくなることには様々な理由がありますが、それぞれ対処法が異なります。
そこで今回は、犬の管理栄養士として多くの飼い主さんから
食事のご相談を受けている僕がご飯を食べない理由と対処法をご紹介します。
フレンチブルドッグの特徴
コウモリのように立った大きな耳と愛らしい笑顔が特徴のフレンチブルドッグ。
短いらせん状の尻尾も可愛いですよね。
こんなに可愛い見た目ですが、祖先犬は闘犬のマスティフであると言われています。
そのため、筋肉質で力が強いので、
興奮したときやお散歩のときに飼い主さんの指示で
落ち着けるようにしておくと安心です。
毛が短くお手入れはしやすいですが、換
毛期は抜け毛が多いため、定期的にブラッシングをしてあげましょう。
フレンチブルドッグの性格
社交的で初対面でもフレンドリーに接してくれる明るい性格を持っています。
遊ぶことが好きで、飼い主さんとの遊びやお散歩の時間が足りないと、
ストレスが溜まることがあるので、触れ合いの時間は大切にしましょう。
また、寂しがり屋でひとりでいることが嫌いなので、留守番が苦手な子が多いです。
フレンチブルドッグは賢くて飼い主さんに従順なので、
小さい頃からしつけをしておくといいですね。
フレンチブルドッグがご飯を食べない理由は?
フレンチブルドッグがご飯を食べない理由は次の6つがあります。
・ストレス
・わがまま
・フードや食事環境が合っていない
・口の中の痛み
・老化
・病気
それぞれの理由と対処法についてご紹介していきます。
その1:ストレス
個体差はありますが、甘えん坊で寂しがり屋なフレンチブルドッグは、
飼い主さんと離れている時間が長くなるとストレスを感じてしまいます。
他にも次のようなことでストレスが溜まることがあります。
・引っ越しや旅行、家族が増えたなどの環境の変化
・留守番の時間が長い
・飼い主さんとのスキンシップが少ない
・家の近くで工事が始まって大きな音がするようになった
・トリミングやペットホテルなど慣れない場所に行った
・飼い主さんに叱られて落ち込んでいる
ストレスが溜まっているときは、ご飯を食べなくなること以外にも、
手足をよく舐める、痒くないのに体をよく掻くなどの行動が見られるので、
確認してみてください。
ストレスの原因を探してあげる
まずは、ストレスの原因を探していきます。
ご飯を食べなくなった日より前に、
ストレスの原因になりそうなことがなかったか思い返してみてください。
これが原因かな?と思うものがあれば、ストレス解消をしたり、
ストレスの原因を取り除いたりしてあげましょう。
フレンチブルドッグは、飼い主さんとのスキンシップでストレス解消ができます。
お散歩に行く、室内でボール遊びをするなど触れ合いの時間を作るといいですね。
その2:わがまま
おやつの食べすぎは、ご飯を食べなくなる原因の1つです。
おやつは喜んで食べてくれるので、ついあげたくなりますよね。
しかし、ご飯を食べずおやつが主食になると、
十分な栄養が摂取できないので体調を崩してしまいます。
また、フレンチブルドッグは肥満になりやすい犬種なので
おやつの食べすぎは注意が必要です。
ご飯のあげ方を変えてみる
ご飯を出して20〜30分経っても食べないときは、お皿を片付けましょう。
そして、水はしっかり摂れるようにし、次のご飯の時間まで
ご飯もおやつも与えないようにしてください。
これを繰り返すと、お腹が空いて食べるようになります。
いつもどおり元気がある場合は、2〜3日は様子を見てみましょう。
様子見をしている間は他に症状が出ていないか、
調子が悪くなっていないかよく見てあげてくださいね。
なお、子犬や老犬、持病がある犬はご飯を食べないと
体調を崩すことがあるので注意しましょう。
その3:フードや食事環境が合っていない
短頭種のフレンチブルドッグは、生まれつき気道が狭い子が多いです。
そのため、フードの粒が大きいと喉に詰まりやすくなります。
フードを選ぶときは粒の大きさを確認しましょう。
また、フレンチブルドッグはご飯のお皿選びも重要です。
お皿が合っていないと、食器に目が当たって食べにくかったり、
怪我をしたりする可能性があります。
フレンチブルドッグに合ったフードや食事環境を選ぶ
フードの大きさは小粒や超小粒など、なるべく小さいものを選びましょう。
お皿は、短頭種用の浅くて傾斜があるものだと食べやすいです。
食べることが大好きな子は、勢いよく食べるので、
お皿が倒れないように安定した食器台や滑り止めを付けておくと安心です。
その4:口の中の痛み
歯周病や口の中に腫瘍ができるなど、
口の中に異常があるときに痛みでご飯が食べられない状態になることがあります。
歯周病は歯が抜けたり、炎症を起こしている部分から菌が入って、
心臓病や腎臓病の原因になったりします。
特に短頭種のフレンチブルドッグは、歯並びが整いにくく、
歯周病になりやすいので注意が必要です。
ご飯を食べなくなったときには、歯が抜けていないか、
血や膿が出ていないかなど、異常がないか確認してくださいね。
歯磨きはこまめにする
歯石になる前に、歯磨きシートや歯ブラシなどで汚れを取ってあげることが大切です。
毎日の習慣にしておくと、歯周病の予防ができ、
歯の痛みでご飯が食べられなくなるのを防ぐこともできるので安心ですね。
歯磨きに慣れていない場合は、無理に磨かず毎日歯を触って、
徐々に慣らしていってあげましょう。
痛がっていたり、血が出ていたりしている場合は、
治療が必要かもしれないので獣医さんに診てもらってくださいね。
その5:老化
歳を取ると消化機能の低下や運動量の減少、
嗅覚の衰えなどによって食べる量が減ってきます。
そのため、消化しやすいご飯や少量でも十分に栄養が摂取できる
ご飯に切り替えていく必要があります。
また、歯周病になりやすいフレンチブルドッグは、
加齢でさらに歯周病になりやすい状態になるため、毎日の歯磨きは大切です。
老犬が食べやすいように工夫する
ご飯を食べなくなったときは、次のような工夫をしてみてください。
・フードをふやかす
フードをふやかすことで、香りが立って食いつきが良くなったり、
柔らかくなって食べやすくなったりします。
・フードにトッピングをする
フードの食いつきが良くない場合は、好きな食材をトッピングしてみてください。
初めから全て手作りをするのが難しい場合は、トッピングから始めてみましょう。
・手作りご飯にする
手作りご飯は、ドライフードより水分がしっかり摂れるので、
消化に良く老犬におすすめです。
食べる量が減ったときに摂ってほしい栄養をご飯に入れることができていいですよね。
その6:病気
ご飯を食べない理由が病気であることがあります。
ご飯は食べないけれど元気がある場合は、2〜3日様子を見ても問題はありません。
しかし、ご飯を食べないことに加えて、次のような症状が出ている場合は、
動物病院で診てもらいましょう。
・下痢や便秘
・嘔吐
・元気がない
・体重が落ちている
・触ると嫌がったり痛がったりする
下痢や嘔吐をしたときは、どのような状態なのかをメモや写真に記録しておくと、
診察のときにより詳しく伝えられます。
様子見をせず獣医さんに診てもらう
フレンチブルドッグは短頭種なので、気道に障害が起きやすく、
それが原因で食欲が低下することがあります。
他にも気道に障害が起こると、呼吸がしづらくなる、
呼吸音がグーグー、ブーブーと鳴る、
咳が出るなどの症状が出るので、確認してあげてください。
いつもと様子が違うと思ったら、様子見はせずに獣医さんに相談してくださいね。
まとめ
フレンチブルドッグがご飯を食べなくなったときは、
焦らず愛犬に合った対応をしてあげることが大切です。
またフードにトッピングをしたり、手作りご飯にしたりするなど、
ご飯のあげ方を工夫してみるのもいいですね。
手作りご飯についてご質問がある方は、ぜひLINEからご相談ください。
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